ねぇ、今日は何の日かわかってる? 今日は土曜日。あんまりにも暇だったので、私は彼氏の竜也のところに押し掛けた。 出迎えてくれたのはちょうど竜也で、聞けば今日は珍しく部活が休みだというので、私はそのまま竜也の部屋に居座っている。 出してもらった紅茶を飲み、ちょっと大きめのクッションを抱えて、私はゴロンとベッドに転がった。 「う〜ん。まさか亮に知られちゃうなんてね」 ま、言うほどあんまり気にしてないけどね。どうせいつかはバレることだったんだし。 「俺たちのこと三上に知られるとなんかマズイの?」 「マズイっていうか、何気にシスコンなのよね、うちの弟」 それにしても、あの爽やかな笑顔は怖かったわ。 黒さを感じさせないぶん余計に。 亮のあんな笑顔を見たのは何年かぶりよ。 「そういうさんだってブラコンじゃん」 「そう?ま、一応自慢の弟だし。多少はあるかも」 亮は我ながらできた弟だと思う。 頭はいいし、顔もいいし、スポーツも他人にひけをとらないし。 あれで性格も良かったら言うことなし!なんだけど、そこまで望んじゃ欲張りってもんよね。 私のこと大切にしてくれるし、素直には表さないけど、そこがまたかわいいし。 なんて一人いろいろと考えていれば視線を感じて。 みてみれば竜也がぶすっとした表情で私を見ている。 「なに?‥あ、もしかして竜也クン妬いてるの?」 冷やかしながらつんつんと頬をつつくと、竜也に顔を背けられてしまった。 うそ、もしかして図星? 「だってさん、アイツの話するとき楽しそうだし嬉しそうだし。俺のこと見てくれないじゃん」 「そんなことないと思うけど?」 「あるよ。今日だってせっかく二人きりなのにアイツの話ばっかしてるし」 背を向けられたままの言葉。 込みあげてくる笑いを抑えることができなかった。 「竜也クンってば、かわいい〜vv」 ベッドから飛び起きてクッションの代わりに竜也を抱きしめた。 当然のように竜也はバタバタと暴れたけど放してなんかあげない。 ぎゅっと抱きしめて、竜也の肩の上に頬をのせて、猫みたいに頬擦りをして。 竜也ってホントいい匂い。 「竜也クン、不服そうですね〜」 明らかに不服と書いてある竜也の顔。 「だってさん、俺で遊んでるじゃん」 「そんなことないよ」 笑わないようにしてたのに、つい笑ってしまった。 ホントに怒るかなと思ったら、竜也は体の力を抜いて凭れてかかってきた。 「なんか俺ばっか好きみたいでムカつく‥」 呟かれた言葉は聞こえないふりをした。 竜也 きっと私のほうがずっと竜也のこと好きだよ 暇だったなんてただの言い訳 本当は友達に誘われたの断ってきてる 今日は竜也と一緒にいたくて 竜也の誕生日を祝ってあげたくて なんて、私は素直に言ってあげられないけど 片手で足りてしまう程度の年の差 余裕なんてあるはずがないから 大好きなあなたに 素直じゃない私から 言葉に出さない happy birthday 書いてて楽しかったっす。タツボン誕生日おめでとv ちょっと拗ねさせてみようと思ったら、タツボンが別人になってしまった‥(汗) 2002/11/24 |