いつも言われる。言われる相手は毎回毎回違うのだけれど、内容はだいたい同じ。 少しは人の目を気にしろよ、と。 たしかに、天下の往来で男が男を抱き寄せていては目を引くかもしれない。 闇遊戯がいくら美形で綺麗だと言っても、女には見えないし見えて欲しくもない。 おい、見せ付けんなよ。 バーカ。 べつに見せ付けるためにいつも共にいるわけじゃなく、人前で世界に入ってしまうのも決してワザとではない。 感情が溢れて自然と吸い寄せられてしまうのだ。 そう、まるで磁石に引き寄せられる砂鉄のように。 闇遊戯に触れていなくては、俺は息すらできないかもしれないなんてマジに思う。 一分一秒、ただ逢いたくて逢いたくて。 逢ってれば、今度は触れたくて触れたくて。 恋でも愛でもなく、ただ溺れている。一人の存在に己の全てが左右される。 それこそ自身が怖いほどに、俺は闇遊戯に狂ってる。 そんな愛情はただの重荷にしかならない。 誰かに言われた言葉に愕然とした。 重荷? 闇遊戯、俺の想いは重すぎるか? 俺はお前に心を押し付けているか? 「俺も君と同じ気持ちだからな。君の想いを重く感じたりしない」 嬉しくて、泣いて抱きしめてキスをした。 何度も何度も好きだと告げた。 「闇遊戯!」 君がくれる優しさに甘えて、俺は今日も君に手を伸ばす。 足りない足りないと泣きながら君を求める。 ねぇ、愛してる? 「愛してる、城之内くん」 離さない。離せない。 もう俺は君がいなきゃ生きられないサカナだから… 創作時間、25分。今までで最短です。代わりに短いですが‥ 2004/11/25 |